40代、失業中の恋愛―「告白できなかった理由」
40代で失業した。
想像していたよりも、静かだった。
ドラマみたいな絶望はない。
ただ、じわじわと自分の価値が削れていく感覚だけが残る。
そんな中で、ひとりの人を好きになった。
恋愛どころじゃない、はずなのに
本来なら、恋愛をしている場合じゃない。
収入もない。
先の見通しも立たない。
履歴書と求人サイトばかり見ている毎日。
それでも、人は好きになる。
タイミングなんて関係なく、感情は勝手に動く。
むしろ弱っているときほど、誰かの存在に救われる。
その人とLINEを交わす時間だけは、
「自分はまだ社会から完全に切り離されていない」と思えた。
なぜ告白できなかったのか
理由はシンプルだ。
「今の自分には、その資格がない」と思ってしまったから。
好きだと伝えることはできる。
でも、その先はどうする?
デート代すら気にする自分がいる。
将来の話なんて、とてもできない。
相手の人生に、自分が入っていいのか。
足を引っ張るだけじゃないのか。
そう考えた瞬間、言葉は止まった。
プライドと現実の間で
40代の恋愛は、若い頃と違う。
ただ「好き」で突っ走るには、
背負っているものが多すぎる。
そして失業という現実は、
そのすべてを否定してくる。
自信がない。
余裕がない。
未来を語れない。
だから、「今はやめておこう」と自分に言い聞かせる。
それは優しさなのか。
それとも逃げなのか。
正直、今でもわからない。
それでも、ひとつだけ思うこと
もし、もう一度同じ状況になったら。
今度は、ほんの少しだけでもいいから
自分の現状を正直に伝えてみたい。
完璧じゃなくていい。
成功していなくてもいい。
「それでも好きだ」と言えるかどうか。
40代の恋愛は、
条件よりも“覚悟”の問題なのかもしれない。
